感想 ∴ 黒蝶のサイケデリカ
今回は黒蝶のサイケデリカをトロコンし終えましたので感想を綴っていきたいと思います🦋
友人に勧められたのもあり、あといろいろな乙女ゲーマーさんも結構お勧めしているのを見ていたのでとっても楽しみでした!
天邪鬼なのであんまり話題作、というか超有名作みたいなのやらないんですよね……薄桜鬼とかノルンとかが肌に合わずに挫折したトラウマが大きくて……笑
でもいつかやる未来のためにネタバレは全く踏まずに生きてきました!えらい!
わりとさっくりできるというのも、今お仕事忙しい時期だけどちょうどいいかも〜!と思って始めました
いや〜〜とんでもないお話だった〜〜〜なんてもの勧めてくれたんだって思わず友人に溢さずにはいられなかったですね〜〜〜
気がつくと知らない洋館にいた記憶を失っている主人公紅百合が、同じ境遇の人たちとともに洋館に彷徨う化け物を退治しながら、万華鏡のカケラを探してここから抜け出そうとする……というお話です
自分たちの過去やなぜここにきてしまったのか、この場所はなんなのか、真実を追い求めるミステリーの要素がとても強かったです
こちらへ示される情報が本当に少しづつで、真実を知ってしまいたいような、けれど知れば知るほど苦しい未来しか見えなくて知らないままここで過ごした方が幸せなんじゃないか、とか色々考えながら、ゆっくりと結末へ進みました……
大筋の本編があって、所々でキャラクターごとの個別ルートへの分岐が用意されていて、
本編とは別にショートストーリーというのもあって、そのお話を解放していくことで本編のルート分岐が解放されていきます
そのシステムがちょっとわかりづらくて、ルートに入れないキャラもいたりしたんですが、もりもりショートストーリーを開けていけば問題ないはずです!
攻略順は ベストエンド → 鉤翅さん → 鴉翅くん → 山都くん → 紋白さん → 緋影くん でした
順番が大事!と聞いていたのでベストエンドを見た後に攻略順を調べておすすめされていた通りにやりました
わたしはベストエンドをやれば後はそんな気にしなくてもいいんじゃないかな〜と思います、でもたぶんベストエンドみたら鉤翅さんやらなきゃってなる!笑
下記よりキャラクター別感想
【緋影】
緋影くんは紅百合と出会った最初は紅百合をすごい守ってくれるし、警戒心のない紅百合の代わりにいろんなことに警戒していて、なんだかセコムみたいだ……!この人は信用できるな……!と、思っていたんですよ
そしたらね、ベストエンドの時点で黒幕である館の主であることが発覚して……
いや〜もう笑い方から何からバリバリの悪役してて、うわ〜騙された〜!っていう気持ちになりました!
でも、それでも、メインヒーローだし、なにか救いが用意されてるんだろうと、そう信じて最後まで取っておいたんです
でもそんなことなかったですね……
緋影くんエンドを見て……ああ……こういう終わりになってしまうの……と沈んだ後に、なんでメインヒーローと幸せになれんのやァ!と怒りとかやるせなさとかがふつふつと沸いてきました
なにがどうなったらキレられながら無理矢理酷いキスをされて、なんとか仲直りして彼の状況を救おう!と思ったら、最終的に目の前で頭を拳銃で撃ち抜いて消えてしまうなんて、なんという仕打ち!
ウサギちゃんとともに転生したようなスチルがあったときはほんの少し救われましたが、けれどそれは同時に紅百合では緋影くんを救えなかったということのようにも思えてしまって……
ウサギちゃんによって狂ってしまった緋影くんを救えたのはウサギちゃんだけだったんだな、と
ウサギちゃんの死によって緋影くんはやっと自身を取り戻せたんですし
緋影くんが現世で君と会いたかったとそう言ってくれるのが嬉しいようで、けれど今のこの状況の拒絶にも思えて、ほんとうにしんどかった……
どう逆立ちしたって最初から紅百合には緋影くんを救う道はなかったんですね
大団円にもさっっぱりでてきませんし、IFでもなんでもいいから素直にくっついていちゃいちゃする紅百合と緋影くんが見たかった〜〜😢
でも緋影くんはそういう終わりを迎えるにふさわしい酷いことをたくさんしてきたので、お話としてはそうあるべき終わりだったなあと思いもするんですよね
FDとかきっともう望めないだろうけれど、緋影くんを好いて救おうとした紅百合が幸せになってくれることをひたすら願ってしまいました
【山都】
山都くんは最初ほんっとにツンケンしていておどおどのったりしている紅百合にすごく当たりが強いんですよ〜!そして記憶がないことによる焦りからイライラしていてちょっと怖い……
でも夜中に銃を出す練習をしていたら、それを気にして手伝ってくれたりするし、実は面倒見とかいいタイプだ!!ってなりました😊
だからこそ山都くんを焦らせるものは一体何なんだろう……と思っていましたが、なんとなーくベストエンドを終えて山都くんの焦燥感や罪の意識ってもしかしてもしかしない?と察しちゃいましたよね
サマーキャンプで山都(タクヤ)くんがカズヤくんの足のリボンを固く結び直したって出てきた時点でもうこれやったな?!と……
そしたらやっぱり案の定、紅百合からリボンを借りたカズヤくんに嫉妬してわざとリボンを緩く結び直して、そして解けてしまったリボンを探すためにナツキは亡くなってしまい、カズヤも植物状態になってしまう……
そりゃあこんなことを思い出したら絶望に染まって化け物に成り果ててしまってもおかしくないですよね
でも化け物に成り果ててしまった山都(タクヤ)くんを最初に見つけるのは他でもない紋白(カズヤ)さんなのがいいですよね……やっぱ双子なんだなと……
そして紅百合が紋白(カズヤ)さんといっしょに山都(タクヤ)くんのもとへ通うようになると、紅百合が体を張って救ってくれたからなのか穏やかなやりとりが多くて癒されました〜〜
このゲームで1番のほのぼのシーンだったんじゃなかろうか?!
山都(カズヤ)くんが紅百合のことなんてさっぱり気にせずに水浴びしてて、紅百合がそれにドギマギしてるショートストーリーが特に好きです😘山都(カズヤ)くんが紅百合をからかうのがなんか!意外で!かわいい!
あとですね〜山都くんも好きなんですけど、前日談のタクヤくんがすごい好きなんですよ〜〜!
サマーキャンプを忘れて生きようとしているアキちゃんとは対照的にタクヤくんはそれらの罪とか罪悪感を全て抱えて昔と変わらずたたずんでいるんですよ
そして同じものを抱えている紅百合と悲しく共鳴していく様子がほんとうにしんどいけれど人間らしくて好き……
一緒にいることでサマーキャンプの生傷は癒える事はないけれどそれすら救いになりそうなしんどさがありますよね
けれど館での出来事を通して、その罪悪感を完全に消し去る事はできなくともふたりならば少しづつでも前へ進めるように変わっていけると、時間が止まってしまったふたりが手を取り合って進んでいくのがとてもよかったですね
山都(タクヤ)くんがちゃんと紅百合にも紋白(カズヤ)さんにもリボンの真実を告げて謝ることができたのも、やっとその重荷を少しでも下ろすことができたのかなと少し安心しました……
素直に痛み分けだよって言えちゃう紋白(カズヤ)さんもなかなかにすごいですよね
山都エンドでは緋影くんのせいで紅百合が山都くんのもとへ通えなくなってしまい、そのせいで山都くんは紅百合の幻覚を見るまでに病んでいってしまうんですよ……
山都くんはサマーキャンプでの犯してしまった罪の罪悪感に喘ぎ続け黒い蝶に塗れてしまう
そしてそんな山都くんをみて紅百合は一緒にいるという約束を果たせなかったわたしのせいで山都くんがこうなってしまったと罪悪感に苛まれるんです
現実のふたりと変わらないままお互いが罪悪感から互いを求めあうのが切なかったです……けれどこの終わり方も結構好きでした……!
【鴉翅】
鴉翅くんは底が見えなくて怖い、という印象がずっとありました
考えていないようでとても考えているし、時にすごく鋭い言葉で刺してくるんですよね……
でも彼は館での話よりも、この館に来る前のお話の方がしんどい!!ってなりました笑
過去のサマーキャンプの悲劇のなかで残ったうちのひとりだったけれど散り散りになって、それが高校進学して紅百合と再開したことを皮切りにまたみんなが集うんです
鴉翅(アキ)くんは弱虫で何もできなかった自分を変えたくて、みんなと別れてから明るく振る舞って別人のように生きてきた
というのも紅百合の強さに救われた過去があったから自分もそうあろうと強くなろうと必死にもがいてて、けれどいざ再会してみれば紅百合も山都くんもあの時の悲劇に囚われたままで……
鴉翅(アキ)くんだけがあの悲劇を振り切って現実を生きていた時間が止まってなかった人間だったんですよね……
どんなに紅百合にアプローチしても過去の鴉翅(アキ)くんの姿をなぞるばかりで、今の鴉翅(アキ)くんを見てくれない
それどころか紅百合は現実を生きようとしている鴉翅(アキ)くんを避けるようになり、過去に囚われ続ける山都くんとともに傷を舐め合うように過ごしだして……何この地獄みたいな三角関係?!😵
こうして書き出してみると過去に囚われ続けるふたりにキレた鴉翅(アキ)くんが湖に行くことを提案したことでこんなことになったんだし、すべての元凶のような気はしなくもないですね?!
でも鴉翅(アキ)くんもふたりと同様で嘘で塗り固めていただけで強くなんかなりきれていなくて、少しでも何かを変えたくて湖に行くことにしたんだろうなと思います
無事現実に戻った後には、鉤翅(ナツキ)さんの死を乗り越えた紅百合とやっと恋するスタートラインにたててよかったねという気持ちでいっぱいになりました😊
なんだかんだすっごい紅百合に尽くしてたからね……紅百合は鴉翅(アキ)くんを大切にしなさいよ……
対して鴉翅エンドではふたり館の中で他のことを忘れ去って過ごし続けるという終わりでした
鴉翅(アキ)くんが1番望んでいない現実逃避をしてしまう、サマーキャンプの悲劇から逃げ続ける終わりで、紅百合が強くあろうとした鴉翅くんを引き摺り落としてしまったようで切なくなりました……
【鉤翅】
鉤翅さんは優しくて物腰柔らかで、初対面疑心暗鬼でギッスギスなメンバーを包み込んでくれるような暖かい陽だまりみたいな人でした
紅百合を人一倍気にかけてくれて、優しく接してくれてほんとうに救われた……
そして記憶を取り戻していくなかで実はみんな幼馴染だったことがわかって、なかでも鉤翅(ナツキ)さんは紅百合と結婚の約束をしていたことを思い出すんです〜
幼い紅百合が妹と喧嘩して家を飛び出して泣いてるところに鉤翅(ナツキ)さんが来て慰めてあげるショートストーリーが本当に好きで、そりゃ紅百合の初恋になるわよねって思いました☺️
けれど現実は残酷で、鉤翅(ナツキ)さんは幼い頃に行ったサマーキャンプで湖に溺れた他の子を助けて亡くなっていて……
紅百合はずっと命を救ってくれた、結婚の約束をした鉤翅(ナツキ)さんを心の中に留めたまま、時間を止まったまま生きてきたんですよね、幼い頃にこんな壮絶な失恋体験したらそりゃそうなる
きっとあんなことがなくて、生きていたら当たり前のように紅百合の隣にいて幸せでいる未来が見えるからこの真実は本当に本当に苦しかった
もう亡くなってしまっているということは万華鏡を完成させたとしても、鉤翅(ナツキ)さんとの未来はないじゃないですか……
と思っていたら先にこの館に辿り着いていた鉤翅さんは館の主と出会い、万華鏡のかけらを集められたら生き返りたいという願いが叶うと唆され協力してたんです
ええ……そんな自然の摂理に反したことは……よくない…………とわたし自身ちょっと幻滅しつつ、でも気持ちは痛いほどよくわかるから嫌うこともできない…………😢
ベストエンドは実質鉤翅(ナツキ) エンドだと思っていて、真実を知って黒い蝶に染まった紅百合が鉤翅(ナツキ)さんにあなたの死から逃げてごめんなさいと謝るんですよ
その苦しむ姿を見て他でもない鉤翅(ナツキ)さんがもつ紅百合と生きたいという摂理に反した願いによってここに留められてるせいだと、紅百合を許してその願いを捨て去り解放してあげることを決意するんです……
くっついて幸せなハッピーな終わりではないけれど、この物語の1番綺麗な終わり方だと思いました
反して鉤翅エンドは館の中で幼い頃夢見た幸せな結婚する未来の幻に身を委ねるという終わり……
そんなことあっていいわけあるか……とわたしが絶望しました…………
まあ大団円エンドが鉤翅(ナツキ)さんの現実エンドになるのかと思いますが、あれも幻でしかないですよね
あの時ああしていたらこうしていたら、そのIFのお話でしかなくて、この物語は紅百合が鉤翅(ナツキ)さんのことを乗り越えて未来を見据えるための話なのでそれをないことにしちゃダメだろ……と……
でも誰もが見たいと思うであろう、悲劇がなかった世界の姿を見れるように用意してくれるのは優しいなと感じました😊
【紋白】
わたし紋白さんは攻略キャラじゃないと思い込んでいて、なので真実が露呈した時はちゃめちゃびっくりしましたしガッツリ攻略キャラだった!!😳
緋影くんと山都くんが双子っていう事実が判明して、でも若干の違和感とか幼少のカズヤくんからどう成長したら緋影くんみたいになるのかな?とか思ってはいたけれども〜〜!!
まさかカズヤくんが紋白さんだとは思わなかった……😳
紋白(カズヤ)さんはサマーキャンプの悲劇によって館に来て随分と長くすごく中で疲弊して人間性が薄れていっていて…………
山都(タクヤ)くんのことを覚えていなくても苦しむ姿を見て救わないとと思い行動するのにはグッときました
紋白さんは体は大人に成長しているのに、中身は幼い頃のままでさらに人間との関わり方を全く学んでこなかった結果紅百合との距離がバグってるのがとってもかわいいんですね〜〜
小悪魔的にたくさん甘えてくるんですよ!そして紅百合もその幼さというか純粋さゆえに恥ずかしがりながらも無下にできずに許しちゃう……見ていて可愛いふたりでした😍
紋白さんルートは絶望に染まってしまって奈落へ落ちていった紋白さんを救い出すというお話だったのですが、救い出すまではいいんですけどその後がちょっとしんどかったんですね……
無事に救い出して現世へ戻ることができても鴉翅くんと山都くんが目覚めなくてそれを待ち続ける終わりだったり(起きた?かも?みたいな希望の描写ははありました)、
バッドエンドでは紅百合だけ目覚めてしまって、かつての山都(タクヤ)くんのように罪悪感を秘めながら紅百合は看病に通い目覚るのを待ち続ける終わりなんですよ……
もうくりかえさないでくれ!やめてくれ!ってなりました
あと紋白さんは館での永遠とも思えるの苦しみのなかで、紅百合から借りていたリボンをずっと心の支えにしているんですね
結果的にここへ紅百合たちが落ちてきたことやらで一緒に現世へ戻ることができたけど、
そうじゃなかったら他でもないリボンがあの世に行って次の生を得ることのないまま縛りつける道具になってしまってたのかもしれないな……と思うと、単純に泣ける話とは消化できなくて色々考えてしまいました
全て終えて好きなルートは、
山都くん > 緋影くん = 鴉翅くん > 鉤翅さん = 紋白さん でした!
山都くんと紅百合の罪悪感を抱えたままふたり堕ちていくのも好きだったし、前を向うとするのもよかった……
お話のまとまりの良さは山都くんが1番だったように思います!
でも紅百合はこの5人がいたら絶対に鉤翅とくっつくんだよなあ……という気持ちもありますね!笑
1周目を終えてしまえば予想以上にサクサクッとこなすことのできるゲームでしたが、その手軽さからは想像のできないほどの満足感がありました😋
しばらくは緋影くんのことを引きずりそうですけど!プレイしてよかったです🎉勧めてくれてありがとう🎉🎉
黒蝶のサイケデリカをやったら灰鷹のサイケデリカもぜひと勧められたのですが、いったいどんな繋がりがあるんでしょう……?続編という認識でいたのですが、あらすじを見る限り違いそうな……🤔
まあ今は他にもたくさん積んでいるゲームがあるので、時期を見てできたらいいな〜と思います〜
それでは🌛
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